仕事でこの土地に来てもう10年以上になる。
このところ長くおしゃべりする人がネィティブの方々なので、自分もつい方言が出る。
でも方言の ”語彙”を使っているだけで、発音とかいろいろ間違っているので、 すぐ他所から来たとわかるらしい。
で、出身地を聞かれる。
それが初対面の人のパターン。
出身地から1000キロ以上遠いとこに来たというので、珍しがられる。
次になぜこんな遠いとこに来たの? と聞かれる。
近頃学習したので、その後も付き合いのある人でなければ、”こっちに親戚がいて”とか 何か、適当にお茶を濁す。
あるいは、”ああ、旦那さんの転勤か何か?”とか向こうが出したヒントにあいまいにうなづいておく。
女が自分の仕事を得るためにわざわざ都市から地方に移るのは、かなり珍しい事態なのだと、 学んだ。
この小さな街では、みな3代遡れる付き合いらしい。
そんなコミュニティに他所からぽんと入って来て、そこの活動に混ぜてもらうには、そういう3代 遡れる身元のはっきりした誰かに怪しいものじゃない、と保証してもらう必要がある。
直接保証してもらわなくとも、そこの人々の知っている誰かの名前を挙げると、安心してもらえる。
そうしてそこで一緒に5年活動しても、名前を覚えてもらえないことがしばしばだ。
”〇〇から来た””〇〇さんの知り合いの”という修飾語だけで呼ばれる。
多分、このコミュニティの中の誰かと結婚して子供を生んだら、初めて私自身が一員と認められるだろう。それまでは20年でも30年でも ”異邦人”で ”お客さん”なのだ。
いや、違うな。
私の子供は一員かもしれないが、私はずっと ”〇〇の嫁”と呼ばれ、いつか実家に帰る客人、ビザを 持つ異分子として扱われるのだろうと思う。
そういう状態に慣れたけれど、時々ちょっと寂しい。
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